カテゴリー別アーカイブ: イチ押し

2013年9月のイチ押し:RAMS’ Pocket Radio

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聞こえる?天からの贈り物

RAMS’ Pocket Radio
 
 
決して真面目な生徒ではなかったけれど、「Gift」という言葉の意味を習ったときのことは、よく覚えている。「贈り物だけじゃなく、Giftには、才能って意味もある。才能は、神様からの贈り物だからだよ」。そう聞いて、すんなり意味が入ってきた。日本語にするなら、天分とか天稟とか、そういう言葉になるだろう。

どうしてこんな話から始めたかというと、RAMS’ Pocket Radioの音楽を聴いて思い出さずにいられないのが、この「Gift」という単語だからだ。世の中には天から贈り物を授かったとしか思えないような人たちがいる。そして、RAMS’ Pocket Radioとして活躍するミュージシャンPeter McCauleyは、間違いなくその代表格だ。

2013年9月に発売されるRAMS’ Pocket Radioのデビューアルバム、Béton。そこに収録された、全く異なる輝きの10曲を聴いて、あなたが見つける彼の音楽的ルーツは、どんなものだろう。いくつものバンド名が挙がるかもしれないし、様々なジャンル名が挙がるかもしれない。それぞれの聴き手が、それぞれの答えを見つければいいと思う。大事なのは、北アイルランド出身のこの二十代半ばの青年が、恐ろしく多岐にわたる既存の音楽という音楽を吸収しつくして、自分の音楽に還元しているという事実である。

ライブで見る彼は、音楽の申し子としか形容のしようがない。ある時はバンドと、ある時はソロでステージに立ち、ピアノ、ドラム、鉄琴など、様々な楽器を自分の体の一部のように操る。紡ぎ出されるメロディやバイブが伸びやかで表情豊かな歌声と調和して、時に情熱的、時に辛辣、時に繊細な、その場限りで消えてしまう一瞬の「完璧」を創り上げる。

彼の才能に魅せられ、彼の活動を追う中で、ひとつ印象深かったことがある。一年ほど前、ある音楽フェスティバルの日の朝に、彼が「この近くで、いい教会はないかな」とフェイスブックに書き込んでいたのだ。そういえば彼の書く詞も、神を意識させるものが多い。

ピーターという人がどんな人かは、知らない。彼の指す「神」が何者であるかも、ここでは問題ではない。ただ、彼ほどに才能のある人は、与えられたものの大きさゆえに、神の存在をより強く感じるのかもしれない、と勝手に想像している。何の才もない凡人にとっては理解しようのないことだが、才能のある人間は、与えられた才能を形にして人々に供するという重い「使命」も、天から与えられているのに違いない。

その使命をしっかり受け止め、音楽を通して世界を、人々を、また神を見ているかのようなピーターの、RAMS’ Pocket Radio。よく「Epic(壮大な)」と評される音をかかげて、きっとこれから更に、大きな舞台へ羽ばたいていくことだろう。そんな彼の前途を信じ、成功を祈りながら、彼が同時にいつまでも地元の訛りで歌い、ベルファストの横道を入ったところでバスキングをしているような、そんなミュージシャンでもいてくれるよう願っている。  (1号)

 
RAMS’ Pocket Radio – Dogs run in packs

http://ramspocketradio.tumblr.com/
http://ramspocketradio.bandcamp.com/
https://www.facebook.com/ramspocketradio

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2009年4月のイチ押し:Colenso Parade

Colenso Parade
俺は石でできてるわけじゃない 
だけど何とか頑張ろうとしてるんだぜ
でも 君が俺の名前を呼ぶのが聞こえると 
ああ今は独りでいるほうがいいんだ
…と気づく
今は独りでいるほうがいいんだ

(『You And Me Against An Old Routine』EPに収録の”Better Off”より)

 


Colenso Parade ‘Better Off’
(Live at Radar, 2009)

 

メンバー: Phily(b), Mickey(g), Fergal(vo), Melly(d)

MySpace URL :http://www.myspace.com/colensoparade

 
「オマーからベルファストに出てきて住んだ場所、コレンゾパレードがバンド名になったんだ。なんて ロマンチックなんだろ、ね?」ボーカルのファーガルが微笑んだ。 2007年にMusic Questという地元バンド のコンペティションで優勝し、KowalskiやClone Quartetとステージを共にして飛躍のきっかけをつかんだ4人組。ベースのフィリーにオマーでの少年時代のバンド名について訊ねたら「いくつかあったけど恥ずかしくて言えないよ!」と笑った。 琴線に触れる美しいメロディとリフに、どこか人懐っこさを感じさせる真っ直ぐなファーガルのボーカルが乗って、キラキラのギターポップを創り出す四人。最近こんなに正直で飾り気なく真っ直ぐに心に届く歌を聴いただろうか? 2009/03に自主製作盤EP『You And Me Against An Old Routine』をリリースしたばかりのコレンゾパレードのフィリー(b)にインタビューした。

初期のコレンゾパレードの音はアークティックモンキーズとかに比較されたこともあったし、所謂インディロックというかエッジの利いたギターロックという印象が今より更に強かったと思います。でも今回のEP『YouAnd Me Against An Old Routine』では、はっきりとコレンゾパレード独自の音を作り上げましたね。

「うん、エレキギターで曲を書いていたミッキー(g)がアコギで曲を書き始めたのが大きいかな。曲のスタイルに影響を与えたと思う。あと60年代ポップとか80年代のインディミュージックとか皆が今までと違うタイプの音楽を聴き始めたのもあるかな。このEPでは、あえて尖がったインディロック風ギターをお払い箱にしたことで、ずっと面白い音を作ることができたと思ってる。」

―コレンゾパレードの音楽の強みって?

「ボーカルメロディだね、絶対。俺達の曲を決定付けてるよ。あと勿論ライブもね。俺に言わせれば、スーパーめちゃクールなリズムセクションがこれまでの俺達の成功に貢献してると思うよ!(爆)」 (註:フィリーはベース担当)

―ベルファストの現在のミュージック・シーンについて教えてください。一昔と違って、今のベルファストはバンドの中にいい連帯感があると聞いたことがありますが?

「ベルファストのシーンは最高さ!バンドの質が驚くほど高いし、全てのバンドがミュージック・シーンを最良のものにしていこうと連帯しているんだ。北アイルランド全体のシーンが飛躍の時を迎えようとしているっていう本当にクールなヴァイブが流れている。で、その飛躍の機会ってのは、地元のバンド達が一生懸命頑張ってきたことで見えてきたもので、ロンドンの華やかなレコード会社が指をパチンとならせば何かが起こるってもんじゃないんだ。何かを成し遂げたかったら自分で何でもやらなきゃいけない。地理的にもミュージック・シーンとして無視されてる場所だけど、それは間違ってると証明したいね。」

―コレンゾパレードのライブを5語で表すとしたら?

「Wow, check those guys out! 」(すげぇ、こいつら見てみろよ!) 

―ベルファストには多くの箱(演奏会場)があるけれどお気に入りは?

「マンデラホールだね、間違いなく!俺達ザ・ビューとダーティ・プリティ・シングズをサポートしたんだ。ベルファストではかなり大きい会場で、バンドだったらもう誰でも、腕をぶんぶん振り回してギターを弾きたくなっちゃうような会場なんだよ。他の箱も大体演奏したよ。ベルファストは最高さ!」

―これから演奏してみたい北アイルランド以外の会場は?

「UK全土のクラブツアーをしたいな。Carling AcademyとかBarFly、各地方それぞれの有名な箱でライブをやりたいよね。勿論いつか日本にも行って日本の箱が与えてくれるロックンロールの至福の味をぜひ試してみたいよ!」

 

 

 

2008年11月のイチ押し:Two Door Cinema Club

 

 

 

 

 

 

 

 

メンバー: Sam (g), Kev (b), Alex (vo)

 

エレクトロポップ少年が大志を抱く!

ケミストリーか錬金術か? いや黄金は少年達の信じる心が生み出した。 ♪良きことは上手く行くはず♪と。まさに!

2008年11月7日(金)はTwo Door Cinema Club(ツードアシネマクラブ)にとって分岐点になるかもしれない。BBC6ラジオのSteveLamacqの番組でインタビューを受け、「2009年にブレークするバンドのトップ10リストに取り上げる人が出てくるだろう」と言われたのだから。 ツードアシネマクラブは2007年、北アイルランドのバンガーで結成された。大学進学試験の心配をする年代でありながら、幾つかのバンドに在籍するも、ケミストリーが生まれたのは現在のトリオになった時。ドラマーが去った後、三人で曲作りを始めた途端、何かが始まった。ツアーをする機材もお金もない少年達はMySpaceに2曲をアップ。途端にライブのオファーが舞い込んで、あっという間に10ものライブ予定が決まった。緊張しながら始めた地元のライブ・サーキットでは、MySpaceで覚えた『WeGo Forward』を若いオーディエンスがシンガロングして彼らを支えたのだった。去ったドラマーの代わりに、ステージにはMacノートがいた。もはや、Macノートは代わりではなく、バンドメンバーになっていた。 Steve Lamacqが番組で、いみじくも同意してくれたように、ツードアシネマクラブの音は「野心的」で「印象的」だ。北アイルランドのインディ・バンドは頻繁にDeathCab for Cutieに比較される。Panda Kopandaしかり、Kowalskiしかり。ツードアズの場合は、Broken SocialSceneという比較もあるが、一体そんな型にはめ込む比較にどれだけ意味があるのだろうか?Steve Lamacqが親心を発揮して「DeathCabに比較されているようだけれど、違うよね。全く新しい音楽だ。」と言ってくれるのに対して、インタビューを受ける当のケヴ(ベース担当)は意外に無頓着であったのが楽しかった。バンドが自分達の音を紡ぎ出している時、既存のバンドとの比較に大きな意味がないことを誰よりも自覚しているのであろう。 エレクトロ?、Yes、超ポップ?、Yes、美しい?、これもYes、楽しい?そうそう! 『Something Good Can Work』、良きことは上手く行くはず。ウンチクより曲自体が物語ってくれる。 マネージメントはベビシャンやホロウェイズ、CSSからカイリー・ミノーグまで擁するPrimary Talentに決定。ビョークやBlack Kidsなどのレコーディングに参加したAlex Dromgooleをプロデューサーにシングルをロンドンでレコーディングと順風満帆のツードアシネマクラブ。期待と興奮にキラキラと眼を輝かせながらも、自分達が何をやっているかを見失わない、この頼もしい三人の少年達の2009年が楽しみで仕方ない。自主制作EPには収められていない『Something Good Can Work』は、2008/11/08現在彼らのMySpaceページで聴ける。

HP: http://twodoorcinemaclub.com/ MySpace URL :http://www.myspace.com/twodoorcinemaclub

 

そして2年後、2010年ののTDCCと来たら・・・!!!

 
TWO DOOR CINEMA CLUB perform UNDERCOVER MARTYN
by Babysweet Sessions (2010)

TWO DOOR CINEMA CLUB perform UNDERCOVER MARTYN by Babysweet Sessions (2010) 『Tourist Hitosry』のデラックスバージョン発売に合わせて発表されたBabysweet Sessionsによる旅する三人の姿は、こちらのBabysweet Sessionsのページで一番詳しくご覧いただけます!

You Think You Know, You Don’t Know: A film about Two Door Cinema Club

※2010/12/14 Two Door Cinema Clubのその後についてはもう言うまでもないだろう。British Anthemsで初来日を果たした後、アルバムは当然のごとく日本盤が発売され、単独来日、2011年の再来日決定と日本における人気バンドの地位を確立。ヨーロッパ、UK本国はもとよりアジア各国、北米、南米と世界中でファンがツアーを待っている。 イージットレコードのブログ『ムダグチ出張所』でその成長の軌跡を追っているのでぜひご覧ください。。