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2008年10月のイチ押し:ダンディーのバンド特集

Bands in Dundee (Dundee)  ダンディーのバンド特集

3Jの街、ダンディー(ジュート、ジャム、ジャーナリズムだそうで、マーマレードの発祥の地でもあります)というより、ザ・ビューを生み出した街と言うべきか。スコットランド第3の都市ダンディですが、その後北海油田で潤ったアバディーンと異なり、グラスゴーと共にサッチャー時代に経済改革の波をもろに被った悲運の工業都市でもあります。 ザ・ビューのフォロワーっぽい音のバンドが多い?いえ、男気溢れる街のためか、意外にパワーポップやエモ系のバンドが多いダンディ。(男気と言えば、ザ・ビューのキーランが瓶を投げつけられたローディの助太刀にステージから走り下りたなんて逸話もどこかで聞いたような・・・)今回は独断と偏見に基づきダンディの新進12バンドをご紹介。 ここにご紹介できませんでしたが、先輩格では、笑顔で聴いちゃうポップのThe Hazey Janes、パワーポップの雄 Avast! などが、イージットのフレンドバンドではGrace EmilysCuratorsのJonもダンディーの出身です。

 


 

The GetDownsThe GetDowns

ダンディーを飛び出して世界中にその高速ライブパフォーマンスを見せ付けて欲しい。暴れまくれザ・ゲットダウンズ!シングル 『Proper Music』がバイナル盤のみなのが、基本的にCDしか取り扱わないイージットとしては残念無念。盤面印刷コンセプトも可笑ッコイイです。

 

The Boy OrchestraThe Boy Orchestra

『Riot Kids』聴いてみてほしい!パワーポップやエモ系のバンドが多い地域で、男気に走らない一味違ういいバンドが出てきたな、と思った最初のバンドが彼等。ATDIに影響されたバンドってダンディーでは珍しいかも。ライブもいいバンドだ。曲作りも上手いので、早く新曲をレコーディングして聴かせて欲しい。

 

The Valentine ProjectThe Valentine Project

「他のどのバンドより大好きな曲ばかりなんだ。毎日聴きたいから録音の質を上げてよ」-ファンの少年の言葉をそのまま再度贈りたい。ま、写真が物語る通り、この真剣になり過ぎない、ゆるいハチャメチャさが彼らの魅力の一つでもある。録音の質は今一でも自主制作のアルバム聴き込めます。

 

Rush Hour SoulRush Hour Soul

ビックリするほど若い少年達ながら生粋のメロディメーカー。間違いなく捨て曲無しのバンド。彼らのホームページで聴ける5曲を聴いてみて欲しい。北の哀愁を感じさせる美しいメロディに、若さの特権ハチャメチャパンク精神が息づく究極のコンビネーション。

I Drive HomeI Drive Home

ヘタウマの極致か?!「ただの音痴じゃないの?」という意見を否定できる証拠はまだありません。が、アイドライブホウムはこのまま進んでくれ!生涯一度の傑作と思った『Red Light Mikey』に続いて必殺『Waiting』が出来上がってしまったからには、もうガムシャラに進むしかない!

 

DecartesDecartes

「夢を持たなければ俺達は何者でもない」なんて言葉を吐けるのは、さすがバンド名がデカルト?NMEではインタポルに比較されたらしいが、確かにダンディーのバンドの中では憂いを秘めた音を聴かせる変り種。ただし安易に大人になったりしない初期衝動がそこにあるのが頼もしい。

 

The FloorThe Floor

自主製作EP、『You look lost, Are you lost?』のリリースを兼ねたギグで、ダンディーのオーディエンスが乗りまくったという逸話が説得力ある実力派、ザ・フロア。3分強で終わるプログレみたいな曲って悪くない。勢いを更に加速して爆発してほしいバンド。

 

DaveDave?

ザ・クリブス好きなバンドと聞いただけで期待してしまいませんか?Dave?という人を食ったバンド名(検索もしいにくいぞ)に負けず、ユーモアのある曲と愛嬌のあるゆるいボーカルがいい感じ。UKロック王道を踏まえた完成した音のバンドよりも彼らのような楽しいバンドを応援したい。

 

3 Times Over 3 Times Over

イギリスでのThe Red Jumpsuit Apparatusの男子人気に驚いたことがあるが、こんな元気に楽しいパワーポップバンドが出てきてくれる一因になってるのかも。イングランドのTea & Biscuitsとのカップリングで是非ライブを見たい!

 

Boss StarBoss Star

実は2004年に解散してしまったボス・スターであるが、エジンバラに移ってからパワーポップのEnergy Planを始め幾多のバンドを輩出。ボス・スター時代のチャーミングな曲を最近MySpaceにアップしてくれたので、この機会にご紹介します。

 

SicktrickSicktrick

高速メロディックパンクって痛快に気持ち良くなくちゃいけません。いやあスィックトリックがいて良かった。新しいも古いもない、あるはスィック・トリック節のみ!脇目はふらず、ロンドンの批評家に耳を貸さず、自らを信じて進め!

 

Luva AnnaLuva Anna

・ビューが溺愛していると思われるルヴァ・アナ。もうスコットランドのバンド以外の何者でもないという、ある意味伝統的な音なのだが、形容しがたい程にクレージー。それってなんともクールではないですか?

 

 

 

 

 

2008年5月のイチ押し:The Harringtons

The Harringtons少年達がバンドを組んだ・・・
ザ・ハリントンズ 自ら名乗る愛称は『ザ・ハリーズ(The Harries)』 合言葉は『Aye!』*1

実のところは、これだけ読んだだけでファンになってしまった。―下手くそだったりするかもしれないが、こいつらの曲、絶対にクールだ。巷のバンドと違う音を聴かせてくれる。そしてメチャ楽しい演奏を聴かせてくれるに違いない。―そんな理由のない確信を瞬時に得たのは、もう何年も前にイギリスの音楽雑誌NME で The Libertines の小さな小さな記事を読んで以来だった。 次に曲名を見て笑った。なにせ『Fxxk the Harries』、『Bathgate』、『Party at Lewie’s』と続くのだ。もしかして地元を出たことのない高校生が遊びで始めただけの、野心とか無関係の部活バンドか?と。 最後に曲を聴いて・・・顔中が笑顔になった。身体中が笑顔になった。一曲目から虜になった。

実際に高校生であろう若干16~17歳と後で判明した、この少年達は一体どこから出てきたのか?スコットランドのエジンバラとグラスゴーの丁度真ん中にあるBathgate(バースゲイト)は所謂“the middle of nowhere” 、特に何もない不便なところで、冬になると東部エジンバラや西部グラスゴーでは雨なのに、バースゲイト辺りでは雪が積もり交通遅延の原因になったりしている。そんなバースゲイトの街の彼らの日常を曲にして、『退屈なとこさ、だってバースゲイトだもん』とか歌い*2、それでどうしてこんなに楽しい曲になるのか??曲の途中でボーカルのジョーダンが「タッ!」と掛け声をかける時、オーディエンスが嬉しくて反応して跳ねるのが目に見えるのだ。TheViewのカイル・ファルコナーの「タッ!」以来の、最高の「タッ!」だ。

もう少し日常から離れた題名の『Plastic』、『Look at Me』:今からしっかり聴いておこう。シングルリリースされる頃にはMySpaceのプレーヤーから外されるだろう。シングルを買った暁には即シンガロング出来るように準備しておかなければ ――そんな楽しい夢想が広がる。

フランス領マルチニークのロック、ズークを取り入れてホロウェイズが『Generator』で新鮮な風を吹き込み、最近ではFoals、Cajun DanceParty、Vampire Weekendなどが、様々なジャンルの音楽の影響を受けつつ、自由奔放な解釈で今の音を聴かせてくれている。「’XX年代の影響を受けた」という形容詞をレビューで読まないで済むのは有難いことだ。 でも夢中になれる音ってのは、有無を言わさぬ魅力があればいいのであって、たとえ斬新な実験が行われていなくても、流行りの傾向が押さえられていなくても、ジョーダンのボーカルが時にヨレようと(笑)、この点でザ・ハリントンズは圧勝なのである。

メンバー: Jordan, Elliot, Owen, Aaron

MySpace URL : http://www.myspace.com/theharringtonsx
BEBO URL: http://www.bebo.com/The-Harries

*1: スコットランド英語のYes!
*2: The View同様の愛嬌のある訛りがあることもあり、聞き取り違いがあったらご容赦ください

※2010/12/14追記
ブログでも取りあげてきたThe Harringtonsですが、OJことOwenがおそらく大学に進学してしまい、2010年に盟友Muzz君が加入するも活動をほぼ停止状態。四人揃ったライブをもう観れないのが残念でたまらない。そんなわけで四人揃った写真とライブビデオをここに特集。 かれらは2010年日本盤アルバムがリリースされたTango In The Atticの大ファンでもありました。Tangoのサポートで来日してほしかった!まだ若い四人ですから、これからの活動にも注目していきます!
TheHarringtonsLive TheHarringtonsOJ

Introducing Series 1: The Harringtons

Harringtons support Pete and the Pirates.

2007年2月のイチ押し:The Black Alley Screens

TBAS

メンバー: Kyle (b), John (d), Decky(vo, g)

誰もかもが、千差万別自分だけの音楽のテイスト、好き嫌いの基準になるものを持っている。だから、バンドに捧げる最大級の誉め言葉っていうのも、自ずと人によって違ってくる。「上手い」、「美しい」、「音がいい」、「重い」、「新しい」、「泣ける」、「踊れる」・・・音楽を表すのに色んな表現はあるけれど、何が大事だって思うかによって、何が賛辞になるかは違う。たとえば「あのバンドってホント上手いよね」って言ったとしても、ウマいことが重要だって思ってない人間の口から出てるんだったら、それは実は、大した誉め言葉じゃない。

Eejit Recordsが最も重要視するのは、「ワクワクするかどうか」の一点。「ワクワク」なんて、これもまた人によって感じ方は違うってことは重々承知。でも、抑えようにもお腹の底から湧き上がって来てしまう楽しさ、無我夢中に突っ走ってしまう若さ、つかみ所の無い得体の知れなさ、電気に打たれたみたいに痺れるカッコよさ、そんな漠たるもの全てをカバーしてしまう卑怯な万能語、それが私たちの「ワクワク」だ。私たちは常に、「ワクワクするもの」を信じてる―それはつまり、ジャンルでも系譜でもクオリティでさえなくて、今そこで鳴ってる音がどれだけ胸に迫るかが、大事だと思ってるってことかもしれない。

TBASは、間違いなくとびきりワクワクするバンドだ。上手いバンドも綺麗なバンドも革新的なバンドも、ほかに幾らでも居るに違いない。でも単純に、彼らの鳴らす、無防備に真っ直ぐで疾走感のあるエッジの効いた音楽が、好きでたまらない。バンドのサイトを見ても、せいぜい「ストロークス風グランジを取り入れたモダンなTheJam」なんていうトンチンカンな表現しか出てこないんだったら、私も細かく表現するのは諦めてこう言おう。「とにかくいいから聴いてみて!」。

MySpaceには新曲がアップされたばかり。ところでTBASのメンバーは、北アイルランド出身でグラスゴー在住。これもまさに、Eejit Recordsで紹介しないわけにはいかない条件を満たしている。

MySpace URL :http://www.myspace.com/theblackalleyscreens 

Black Alley Screens – Art of Fitting In (2008)

※2010/12/14追記
2009年春にはシングル『Class A Anecdote』を正式リリースするも、同年秋、Young Aviatorsとして新しく活動を再開した三人。2010年冬にはReefのサポートでUKツアーと、今後が益々楽しみな三人です。 ムダグチ出張所の関連記事はこちら。